嘉手納空軍基地

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「太平洋の要石」となるアジア太平洋地域最大の基地

嘉手納空軍基地

アジア太平洋地域最大の基地

画像_アジア太平洋地域最大の基地

ダミ沖縄本島中部(嘉手納町、沖縄市、北谷町)に位置する嘉手納空軍基地は、1944年に旧帝国陸軍航空隊の飛行場として開設され、翌45年に米海兵隊により占領、現在は3,700m級の滑走路を2本有するアジア太平洋地域最大の米空軍基地となっています。隣接して世界最大級の規模を誇る嘉手納弾薬庫も位置することから、嘉手納空軍基地の担う役割は冷戦期から単に日米同盟の一環という位置づけを超え、「太平洋の要石」としてアメリカの極東アジア地域での国益確保において大変重要な意味を持つ存在でした。

基地の面積は約20㎢にもおよび、日本最大の空港である羽田空港の約2倍と非常に広大な敷地から構成されています。嘉手納町内で2002年にオープンしたドライブイン「道の駅かでな」からは、こうした広大な滑走路と数々の軍用機を見ることができ、展望デッキにはカメラを持った人々で賑わっています。

空軍基地内にはF15戦闘機をはじめ、各戦闘機や輸送機が多数配置されており、防空・反撃・空輸・支援・偵察・機体整備等の総合的な役割を果たしています。現在でも南ヨーロッパや北アフリカ、中東、アジア一帯に至る、米軍のプレゼンスが低い「不安定の弧」と言われる地域で活動する際の出撃拠点となっています。

また、居住エリアも完備され、学校・図書館・スポーツ競技場・映画館・スーパーマーケット等、多種の米軍向け支援施設があり、約2万人もの軍関係者が暮らしています。さらに国道58号を跨げば、西側に軍人向け保養施設である嘉手納マリーナが広がっています。この嘉手納マリーナは一般客も利用することができ(2023年9月現在)、レストラン「シーサイド・イン」で食事を楽しむ日本人も多く見られます。

軍用地投資の「横綱」

嘉手納空軍基地は軍用地投資の入門として第一に挙げられる投資先です。銀行担保評価が那覇空港と同じ50倍(特A地区)と最も高い評価を得ており、市場流通倍率とのバランスが非常に良いことが理由に挙げられます。売買価格は100万円台から取引されているため、はじめの一筆目として資産保全的にも適した条件でしょう。時折、嘉手納マリーナ所在の軍用地が市場に出回ることもありますが、滅多に見かけることはありません。

もともと嘉手納飛行場の9割の土地は民有地でしたが、第二次世界大戦を経て強制接取された歴史があります。そのため、全軍用地主約4万人のうち嘉手納飛行場の地主数だけで約1.1万人と、軍用地投資において圧倒的な存在感を持つ基地と言えます。

なお、嘉手納町軍用地地主会は沖縄県の土地連に加盟していないため、わした土地連共済は利用できず、独自のローンを利用する形となります。また、地主会には333㎡以下の場合加入ができず、これは増加する地主会の負担軽減のためとも言われています。

周辺住民への影響

こうした県内外問わず軍用機が絶え間なく往来する基地状況から、近年は騒音軽減を求める内容の訴訟も提起され、周辺住民との裁判が続いています。今年1月の琉球朝日放送で報道されたニュースでは、以下のように伝えられています。

『第4次嘉手納爆音差止訴訟 始まる』

過去最多の原告数で臨む今回の訴訟、改めて「静かな夜を返して欲しい」と訴えました。

嘉手納空軍基地周辺の住人が、早朝・深夜の航空機の離発着の差し止めなどを国に求める第4次嘉手納爆音訴訟の第1回口頭弁論が開かれました。那覇地裁沖縄支部の近くで開かれた事前集会では、「静かな夜を返せ」という住民たちの願いが書かれた旗が掲げられました。

嘉手納空軍基地の早朝・深夜の航空機の離発着や騒音の差し止めなどを求める裁判は41年前から続けられていて、4度目となった今回は、過去最大となる3万5500人余りが原告として参加しています。裁判では、午後7時から翌日午前7時まで航空機の離着陸の禁止を求めていくほか、国にアメリカ軍に対して飛行差し止めを命じる立場にあると認めさせ、騒音の規制措置などをとらせるよう訴えていく方針です。

加えて落下物事故や、2万人という規模の軍関係者を抱える故の事故も近年発生していることから、住民生活への悪影響を懸念する声が後を絶ちません。今後は基地の持つ役割負担と周辺住民の環境改善との融和的解消が求められていくことでしょう。

出典

『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること』書籍情報社.

『図解!在日米軍基地完全ガイド』洋泉社BOOK.

『第4次嘉手納爆音差止訴訟 始まる』琉球朝日放送(2023年1月放送分)

『画像引用:(1枚目)FAC6037嘉手納飛行場/「沖縄県HP」より』

『画像引用:(3枚目)Google Mapより抜粋』