ホワイト・ビーチ地区

最終更新日:投稿日:軍用地

沖縄における最も重要な軍港

ホワイトビーチ地区

沖縄における米軍物流の玄関口

ホワイト・ビーチ地区は、本島中部のうるま市に位置する米海軍基地です。長さ850mと450mの2つの桟橋を持ち、第七艦隊主力艦艇をはじめ佐世保配備の強襲揚陸艦、グアムを拠点とする原子力潜水艦などが寄港する際の補給基地となっています。そのため、沖縄における最も重要な軍港とも称されるほど、中核的役割を担う基地と言えます。

第二次世界大戦中の1941年に日本軍が陸軍洗車部隊の駐屯地として使用していましたが、1945年に米軍が上陸、その後は現在に至るまで米軍に供されることになりました。当時、この湾沿いに数百隻の軍艦を集結させて、本土攻撃の出撃基地とする計画もあったようです。なお、ホワイト・ビーチ地区は海上自衛隊の沖縄基地隊と隣接しており、同ビーチの一部は日米共同使用施設となっています。

投資先としての存在感

ホワイト・ビーチ地区は他の軍用地と比べ販売物件数が少ない傾向にあり、要因の一つに自治会による買取制度が挙げられます。地区としての連帯感、そして複雑な歴史的経緯から、区外への土地流出を避けるべく買取制度を設けているのが特徴です。地権者にとっても、水面下の売買で完結できますので双方良しの制度と言えるでしょう。

上記に加えて、最大の地主数1.1万人を誇る嘉手納飛行場に対し、ホワイト・ビーチ地区は約2,000人と少ないことも要因の一つです。投資家目線で考えれば、売りに出る絶対数が少ないため需要と供給のバランスから鑑みるに相場が崩れる可能性は相対的に低いとも想定できます。なお、銀行評価倍率はC地区のため、市場流通倍率より低く、購入に際しては融資利用の場合まとまった資金が必要となります。ホワイト・ビーチ地区の重要性は先に述べた通りのため、資金に余裕があり投資先を探している方にとっては絶好の安定運用先です。

隣接する陸上自衛隊勝連分屯地への地対艦ミサイル部隊の配置

うした重要基地である状況下、防衛省はホワイト・ビーチ地区に隣接する陸上自衛隊勝連分屯地へ地対艦ミサイル部隊の創設計画を公表しました。これは中国をはじめとする周辺諸国の軍備拡張に対する対応力を高めることが狙いと目されています。

他方で、基地強化に対する住民の抗議の声も続いており、2023年10月の沖縄テレビ放送では下記の通り報道されました。

「14日から始まる陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の共同訓練や自衛隊の機能強化などに反対する市民集会が12日沖縄市で開かれ、およそ1000人が抗議の声をあげました(中略)ホワイトビーチから嘉手納基地まで公道を使って物資を運ぶ計画です(中略)デモ行進では沖縄市で進む弾薬庫の建設やうるま市への地対艦ミサイル部隊の配備にも反対し『沖縄を二度と戦場にしてはならない』と声を揃えました。」

ホワイト・ビーチ地区は米海軍にとって最も重要な施設の一つに挙げられることから、基地強化を図る上で中心拠点とすることは軍事的効率から不可抗力の側面もあります。しかしながら、現地に暮らす住民の方々の環境あっての基地運営ですから、将来的な対立解消が求められます。

出典

『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること』書籍情報社.

『図解!在日米軍基地完全ガイド』洋泉社BOOK.

『「沖縄を戦場にするな」日米合同訓練に反対集会』沖縄テレビ放送(2023年10月放送分)

『画像引用:(1枚目)FAC6048ホワイト・ビーチ地区/「沖縄県HP」より』

『画像引用:(2枚目)琉球新報社 2021年8月20日公開記事』